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ようやく興和のアナレピのカタログが出て参りました。 [ラジオとテレビ]

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<興和アナウンスマシンカタログ表紙>

何でカートマシンなのか。すでにディスコンとなり、使われなくなったフォーマットなのにこれを見せて何の意味があるのか。簡単です。ノスタルジーです。だって懐かしいじゃないですか、これ。

実はカートネタは過去2回やってます。
http://zens.blog.so-net.ne.jp/2006-09-29
と、
http://zens.blog.so-net.ne.jp/2008-08-13
にありますが、正直、大した情報はなかったのでそれなりのネタでした。
そんな中、興和のアナウンスレピータのカタログが今頃ですがアップする事ができました。
カタログ最終ページの記号から1989年3月発行かと思います。思ったほど古くはないですね。
でもこのカタログを入手した当時は大して気にしていなかったんですけど、今こうしてじっくり見ると、まだまだ質実剛健な時代の機械だったんだなと思います。

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<表紙写真拡大>

表紙ページの写真は、正面のラックに興和の多チャンネルカート再生機、左にオープンの多装再生機2式、右に6ミリテレコが並んでいます。しかもカートマシン以外は他社製。多装再生機はデンオンかな。右の単体の6ミリテレコは古すぎてメーカがよくわからん。興和のカタログなのに他メーカ混在ではありますが、左右の機器と興和のアナレピとは直接競合するって訳ではないのでこの場合はいいのでしょう。

カートマシンと多装再生機と6ミリテレコは同じテープレコーダというカテゴリにくくることができますが、用途は全く違います。たとえばカートはミニ番組などの短尺物や、コールサイン・局名告知類など素材を一回セットしたらほとんど動かさないものの送出に使われます。多装再生機はデイリーで入れ替える通常の完パケ番組の送出に使います。6ミリテレコは直前搬入などの追い込み物や各種バックアップ、途中変更などのイレギュラー対応など何でも使える用になってます。これらはその局のルールに従って運用されます。
多装再生機の上にある機器名のプレートには「ATR-3 FM」とあります。同じデザインの銘板がついている多装再生機(DN-153P)がNHK放送博物館の図録に収録されているので、この表紙の写真も恐らくNHKのラジオ主調なのかなと思います。ちなみに放送博物館図録にある153Pは2000年まで現役だったそうです。

ER815.jpeg
<単装填録音機 ER815>

カタログに掲載されている各単体を見ると、バラエティに富んだラインナップです。多装填、単装填、ステレオ、モノラル。当時要求されるものが多かったイコール需要もあったということでしょう。それにしてもオタリと全く違うのはそのデザイン。オタリのCTM-10に比べて実に野暮ったい。鉄板、JISあるいはBTSグレー、古典的な調節用のつまみの形。これはこれで日本的で好きなんですけどね。

カタログ最終ページに機器の仕様が載っています。使用カートリッジはタイプA。オタリはタイプAAとあります。AとAAってどう違うんだっけ?
使用テープはスコッチNo.156。あんまり156って覚えがない。多分150%のバックコートありタイプだと思います。f特はBTS 19cm/sなので50〜15kHz。規定ですね。

興和はこれらカートマシンのほかに、ポスプロ向けにフライングスポットスキャナ(FSS。テロップカード撮像機です)を作ったり、オーディオファイルやFMマスター設備を作ったりと放送関係に関わりがあったのですが、FM局も経営が難しい時代になり、PCの拡張で音声機器が構成できる時代になると共に放送機器の扱いを終了してしまいました。
今はHDMIスイッチャや分配機などの業務用ペリフェラルを扱うのみです。
ちなみにデンオン(当時は日本コロムビア)でもカートリッジマシンが作られていたようです。かつてはDN-160R(レコーダ)とDN-170P(30ch再生機)というのがエフエム東京に納品されていたそうです。

あ、お好きな方はpdfありますので。
http://www003.upp.so-net.ne.jp/zens/px/kowa_annouce_repeaters1989.pdf

<参考文献へのリンク>
Wikipedia英語版のフィディリパックのページhttp://en.wikipedia.org/wiki/Fidelipac
なぜか本家NABではないぺページにあるAAタイプの規格書PDF
http://www.richardhess.com/tape/history/NAB/NAB_Cartridge_Tape_Standard_1975_searchable.pdf


もうカートマシンネタは出てこないだろうな、多分。

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ラインチェックのお話 [ラジオとテレビ]

オーディオマニアっていろいろやっかいだねぇ、と思うのよ。自分もかつては軽くかぶれかけてたから判る。
ずいぶん前にオーディオマニアの方のホームページに、スピーカを入れ替えたらツイータだけを逆相で接続してしまったことにしばらく気付かず、客人の「おかしくね?」で逆相が判明して驚いたってのを見たんですよ。
こういう時って組み上げたときにテストCDをジェネレータ代わりにしてさっとラインチェックをすればこんな原始的な失敗さけられたのにね、なんて思います。テストCDもシングルトーンとスイープとホワイトノイズ、ピンクノイズが入ってるちゃんとしたのがあればOK。数万円するオカルト系のアクセサリ買うよりも遥かに安くていざという時に絶対重宝する道具なのだから買っといて損はないんですよ。今も昔もそんな信号が入ったディスクが売られてます。
これだからマニアは思うときもあるのですが、そもそも音質云々を語る前にオペレーションの質のアップが必要だろうと。

オーディオとつきあうときは数字で見えない感覚てのも大事ですが、テクニカルを含むオペレーションも実は重要で、意外とそういう事が普及していないんじゃないかなぁと思うんです。先にあげたテストディスクをどう使うかなんて知識とある程度訓練された耳が必要です。それが無いとシングルトーンは放送禁止用語を隠す効果音にしか聞こえなく、ホワイトノイズはFMラジオの放送休止時に聞こえる雑音にしか聞こえません。

ラインチェックってのは放送現場の用語で、スタジオや中継現場から回線を接続した時に行う回線試験の事です。通常はテストトーンを使ってレベル、位相、分離、S/Nのチェックを行います。信号源は通常テストトーンが出るミキサーです。受ける側は測定器でスピーカ(とヘッドホン)でチェックを行います。問題があればその場でフィードバックされ、修正後再度チェックが行われます。

通常は基準レベルのトーン(テレビ音声の世界では-20dBFS=0VUの1kHzと400Hz)を使います。
レベルと位相は同レベル・同位相のトーンを出して問題がないかのチェック。分離は片チャンネルずつトーンを出してL/Rが正しいかのチェック。S/Nはフェーダを絞りきって無音声にした時にノイズがないか、他の回線からのクロストークがないかのチェックをします。
実際はメータは正しく振れててもパチパチやジーとかのノイズが混じっていたり、ピー音が変化している(正弦波ではない。つまり歪んでいる)時があって、これらはNGです。
その後プログラムを流してもらい違和感がないかを確認して総合判定OKとなるわけです。
こういったチェックを怠ると品質が落ちるので単純な様で実は重要な作業なのです。固定回線の時は品質が担保されているのでいくつかの項目は省略するときもありますが。
もちろん信号源と収録機器を直接接続したときにもラインチェックは行います。レベル、分離は必ず確認します。収録機器のメータだけ見てOKにはしません。内部設定が変わっている場合があるのでヘッドホンなんかで聞いて品質を確認します。

家庭ではシステムを組み上げたらCDなんかを信号源にして、位相、分離のテストをするだけでもかなり安心できるでしょう。ピンコードで直接つないでいるから大丈夫なんていっても、チェックしたら実はL・R逆に接続していたなんていうのはよくある話ですから、チェックという基本は馬鹿に出来ません。

なんでこんな事を書いてるかっていうと、オーディオネタのまんがを見てしまったからです(肝心なまんがは自分の好みではなかったので残念ながら面白くなかった・・・)。で、かぶれかけのマニアのマネゴトを止めた理由は響きの比較的良かった建物のロビーで生の三味線聞いたときにとても気持ちよく、電気的に聞く音って何よ、と醒めてしまったからです。だから熱いオーヲタへはつい冷めた目で見てしまうのですよ。もちろんいい音で聞くこだわりはまだ残ってますが、目玉が飛び出る高級感&高価格イコールとびきりいい音ってのはちょっと違うぞ、と思います。機械は使いこなしてナンボだよ。だからちゃんと基本押さえてる?と。


気をつけたつもりでいるけどこういうネタを書くのはやっぱり難しいね。

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ベリンガーのX1204USB [ラジオとテレビ]

behringerのX1204USBというミキサーが中古価格5000円で売っていたので軽く悩んで購入。

家に帰って取説を見ると、接続方法が数例とレベル合わせ法などのあっさりとした説明と、内蔵エフェクタのパラメータ説明だけで、各操作子の説明や肝心のブロック図面が載っていません。ネットにあるドキュメントもほとんど同じ内容で、ブロック図面も見つかりませんでした。多分コストカットでしょうね。

元々はモニタ用として手に入れたので本線さえ通っていればそれで良いのですが、他に生きてるバスがあれば使ってみたいという気が起きてきたので、せっかくだからと自分の備忘録用に図面を起こしてみました。
複数の音源を用意し、あちこちにジャックを差し込み、スピーカとヘッドホンで音を拾って行き、系統を2時間程でさっくり追っかけ。
そのあと一気に図面を書き上げたらソロ系を忘れていたことに後日気がついたので調べ直してムリヤリ追加。めんどくさいので清書はしません。(あくまでも自分用に作成しましたので、お使いになるのならご自分で回路をご確認ください。よって当然無保証です)
X1404USB_block.png

筐体が小さいのでシンプルなミキサに見えますけど、思った以上の機能が入っているので、実はお得なミキサの部類です。バランスで入出力できるのも地道に嬉しいし。
実際、小規模なニコ生やイベント収録なんかはこれで事足りるのではないでしょうか。

ただし、小さくともミキサはミキサなので初心者には難しいでしょう。取説が貧弱なのでアナログミキサを知ってる人でないと多分挫折します。
たとえばマイクレベルとラインレベル、バランスとアンバランス、信号バス、センドとリターン、ソロ機能、本線とモニタ系の違いなどの理解、つまり基礎知識が必要です。そして残念ながらX1204USBはこれらの機能がみんな入ってるんです。

ニコ生初心者向けにはこれより簡単なミキサがたくさん売ってるのでそっちを選んだ方がいいかもしれません。初心者の人がこのミキサ手に入れてうろたえてるのをネットで見ますんで。
ビミョーなのはUSBの扱い。2Trのin/outと同じ系統に入出力が設定されています。
2TrINとUSB入力は同じバスに入っているみたいで、しかもループしないようにUSB入力を本線に通す場合、USB出力(2TrOUT)には出力されないような仕組みになっているようです。内蔵のUSBインタフェースを使ってPCの音源をこのミキサに入れてミックスしたものをPCに返して配信、というのはできない仕掛けです。外付けインタフェースを使えば自由度も上がって解決しますが。

何となく中を開けて見たらオペアンプの4560が見えたので音質なぞはおしなべてそんなもんだろうという感じです。鳴りゃそれでいいみたいな。音質を上げるために4558の選別品や5532を使ってたらあんな低価格にはなりません。フェーダもしょぼいし。
しかもメイン基板1枚にほぼ全ての回路を集めてるのでメンテナンス性は非常に悪く、修理には手間がかかります。パネルから基板を取り外すにはフェーダノブと、ネジ20数本と、ジャックを固定しているナットを18個はずすという面倒臭い作業が待ってるので、壊れたら本体ごと交換が一番安上がりなのです。そういうポジションの機材です。2万円ちょいで買えるんですから。
この中古は「フェーダ、つまみにガリあり」とあったのですが、ガリ量も非常に少なく、しかもモニタ用なので全く影響ありませんでした。

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TBSラジオがひっそりとステレオ放送を終了しました。 [ラジオとテレビ]

日曜日の午後に何となくTBSラジオのWebページを見てびっくり。
「2011年1月31日(月曜)の放送開始より、TBSラジオのAM放送がモノラルになります。」
とある。

あわててセットした深夜の同録を聞いててみると確かに朝の放送からモノラルになっています。
しかしモノラルへの変更について放送の中では全く説明はありませんでした。

ざっくり流れはこんな感じ。
25時30分の通常のステブレのあと、局名告知が終わったら、そのままステレオの試験放送が2回。
この後モノラルになり、モノラルの試験放送が2回。
しかし、ステレオのキャリアで試験放送(音楽)が1回。
この後キャリアが断続的に切れ(系統の切替試験なのでしょう)
3時15分16秒、キャリアが復活し、3時55分30秒から局名告知(オープニング)が始まり、いつものように定時に「あなたへモーニングコール」が始まりました。
もちろんモノラルの話は一切ありませんでした。

しかし、ステレオを止めるのになんでわざわざステレオの試験放送を行うんだろう。マニアックリスナーへのサービス? 何故なんでしょう?
しかもモノラルの試験放送を行ったあと、わざわざもう一度ステレオの試験放送を行ったのは何故なんだろう。系統の都合なのか。それとも「サービスぅ」なのかな(系統の切り替えの現場でサービスなんかしている余裕は通常、ない)。

今回の切り替えで、同一素材を使ったステレオとモノラルの聞き比べが出来たのはいい経験でした。細かい部分でけっこう音が違いますね。オプチモードAMのパラメータの違いもあるんでしょうか。

ともあれ、954kHzでのステレオ放送は終わりました。チューナのステレオインジケータはもう、赤く灯らないでのです。お疲れさまでした。
954-stereo.jpeg
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日本と欧米の色温度の差 [ラジオとテレビ]

日本人と欧米人とで白の見え方が異なるというのはよく言われる事です。室内照明も日本は蛍光灯で、欧米は白熱灯だとよく言われます。やはりテレビの色も同様に違います。
日本は9300度K(D93)が、欧米では6500度K(D65)が標準の色温度です。これに乗っ取って番組も制作されます。

では比較してみましょう。9インチと24インチのマスターモニタ(BVM-D)を用意しました。上の9インチ、下の23インチのモニタに同じ素材をループスルーで入力しているだけです。分配機等は使用していません。もちろん素材はHDです。9インチを使う理由は比較のためです。物の大きさを示す時にタバコを横におくのと同じ意味合いです(このやり方も古いよね)。

まず一枚目。
9in-D93_24in-D65.jpeg
色温度は上の9インチをD93に、下の23インチをD65にセットしました。
上が青っぽく、下が赤っぽく見えます。

つづいて二枚目。今度は逆の色温度セッティングです。
9in-D65_24in-D93.jpeg
今度は上の9インチをD65に、下の23インチをD93にセットしました。そのためさっきとは逆に上が赤っぽく、下が青っぽく見えます。
環境のある方は拡大画像を二つ並べて比較してみてください。どちらの色がお好みでしょうか。

あくまでもこれはモニタの再撮なので実際のモニタの色とは異なります。単純にどう見えるかを比較する事が目的です。なるべく現物のイメージに近づけるようにはしましたが、完全ではありません。
ちなみにマスモニは色温度を複数設定する事ができ、プリセットで切り替えて使用する事ができます。今回の遊びはこの設定を切り替えただけです。もちろん日本ではD93を使う事が標準となっとります。

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家ではテレビを気を抜いて見てますので色温度の事までは考えませんねぇ。むしろアイリスやガンマの方が気になったりします(HDは白つぶれや黒つぶれは致命的ですので)。とはいうものの、制作時にどんな環境で作っているかなんて通常はそこまで考えませんので、それはそれなりでいいんじゃないんでしょうか。実際に家のセッティングではD65で見る事もありますが違和感はさほど感じなかったりします。そんなもんです。
実は劇場用フィルムの上映環境にも色温度は存在するらしく、やはり日本と欧米では色温度は違うと本にありました。ここをもう少し調べてみよう。

あ、サンプル画像については特に意味はありません。色を比較しやすい映像を選んでみました。
(指摘していただく時はこっそりお願いします。悪意はありませんので)
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AA型カートリッジマシン再び [ラジオとテレビ]

以前カートマシンの事をネタにしたのは2006年の9月でした。
http://zens.blog.so-net.ne.jp/2006-09-29
(2010年9月20日リンク指定ミスを直しました)

そのときはカートマシンのマニアがいらっしゃる事に驚きました。昔仕事で触れていた事もあり、つい懐かしくなって実家で昔のカタログを漁って参りました。今回の元ネタは松下通信の視聴覚機器カタログで発行は1976年3月。今から32年も前の話です。いずれもデパートなどの店内BGM再生用などで機種は4機種。このカタログでフィディリパックという名前を知ったのでした。語感がかっこいいので耳に残っているのもなにかの縁でしょうか。
スキャナ環境が整ったので久しぶりにこのネタを書きますね。

BGM再生装置の4機種ではいずれも3・5・7号カートリッジが使用可能。個別の特徴を示します。
WB-535 パワーアンプなし システム用(大規模向け)
WB-535サムネイル

WB-560 パワーアンプ内蔵 高機能型(小規模向け)<写真>
WB-530 パワーアンプ内蔵 標準型(小規模向け)
WB-560サムネイル

WB-800A パワーアンプ内蔵 8トラック使用可(中規模向け)
WB-800Aサムネイル

CMマシンという名が付いているWB-720はアナウンスマシンでch1の1トラックのみ使用可能。使用カートリッジは3号と5号のみ。短尺使用が前提のモデルなのです。
WB-720_s.jpeg

これらのマシンの使い方は、BGM再生装置で通常のBGMを再生し、各種お知らせやアナウンスなどをCMマシンで再生して両者をミックスさせます。そしてBGM再生装置に内蔵されている、あるいは外部のパワーアンプで増幅されて店内などのスピーカーに送られる訳です。

簡単にスペックから読み解いてみましょう。テープスピードは9.5cm。トラック構成は2トラックモノラル。目的からステレオである必要はいっさいありません。f特は40Hzから10kHz。またWB-800Aはトラック巾をナロー化させて8トラックを確保し最大8時間のロングプレイが可能。その犠牲としてf特が100Hzから8kHzとなっていますが目的からいえば妥協できる値かもしれません。
接合部のセンシングテープあるいはマニュアルトリガーによってトラックを移動させ長時間の再生を行います。

使用できるカートリッジは3号(300型)、5号(600型)、7号(1200型)の三つ。この数字を見てピンと来る人はオープンリールのテレコを扱った事がある年寄りです。はい、この数字は100番タイプ(50ミクロン厚)のテープを巻いた時のリールの大きさとテープ長(フィート)ですね。つまり7号リールには最大1200フィート(約360m)の長さのテープが巻くことができます。これを9.5cmで走らせると片道1時間使えます。5号、3号とそれぞれリールの大きさが小さくなるに従いテープ長も半分ずつ減ります。


しかしこのジャンルはニッチですなー。ぐーぐる様でも結果は多くはありません。でも確実にこの懐かしい機種を楽しんでいる方々はおられる訳で、いまだにオークションに流れているものを見るとたまらんものを感じます。
さすがにアタシは今使う余裕はないのでこのように記憶だけで戯れている訳です。

と、いうわけでこのカタログをまんまスキャンしましたので詳細はそれらをご覧ください(1枚250KB近くあるのでそこそこな大きさです。ご注意を)。

p1_WB-535.jpegp2_WB-560.jpeg
p3_WB-800A.jpegp4_WB-720.jpeg

さて、ここまできましたので放送用でおなじみ興和のアナレピのカタログを再捜索していますがどこに行ったのやら。昭和の放送機器っていう画像を久しぶりに見たいのですがねー。

追伸:06年の記事にコメント頂いたkurehaさま放置プレイですみません。ようやく次のネタを出す事が出来ました。


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今頃、Rec-POT(500GBモデル)を買う。そして開ける。 [ラジオとテレビ]

テレビをあまり見ないというのにHD番組のタイマー録画をする必要に追われてしまったので、HDDレコーダを買おうと調べてみた。ブルーレイのHDDレコーダがずいぶん安くなっているものの、ディスクの運用コストやその管理の手間、そして外部メディアに記録してもそれを充分活用するかどうかなどまだ疑問点が多い事に気がついた。
事実今使っているSDのHDDレコーダは稼働時間が大してある訳ではない。HDになったところでその時間はやはり増えはしないだろう。
とりあえず電気屋に行ってみたらアイオーデータのRec-POTの中古に、4万円でおつりが来る値段が付いていた。
改めて調べてみるとこの機械はIEEE1394でデジタルチューナに接続するTSレコーダ。チューナから吐き出されるTS(トランスポートストリーム)を記録して吐き出すだけ。至ってシンプル。至ってモノユース。地デジのチューナは既に持っているし、あれもこれも録画しないのでこれで充分。
型番はHVR-HD500Rという500GBのモデル。BSデジタルの24Mレート(HD)で約42時間の記録ができる。

早速購入。
地デジのチューナにつないでとりあえず23型テレビの上に乗せてみる。
recpod_boby.jpeg
巾が410ミリなので一般的な大きさ。
外観の様子はメーカサイトにあります。
http://www.iodata.jp/prod/multimedia/hd-rec/2006/hvr-hdr/photo/index.htm

で、使う前に早速開けてみる。手前が前面。
recpod_open.jpeg
左が電源基板、ど真ん中にIDEタイプのハードディスクドライブが2個。
モデルはウエスタンデジタルのWD2500BB。250GBです。ジャンパピンを見ると左側がマスター、右側がスレーブでした。流体軸受けなので回転音は静か。HDDが固定されているフレームはゴムのクッションを使って筐体より軽く浮かせてある。右上は松下のAVHDDインタフェース基板。HDDはここにつながっている。リアパネル側には1394のコネクタが2個。右下はおそらくシスコンと思われる。律儀にもファンが2個付いているところがよい。
以下は拡大写真。
まずはディスク、WD2500BBであります。
wd2500bb.jpeg

AVHDDの基板。チップに文字が入っているので分かりやすいぞ。基板上部は1394コネクタとモード切り替えスイッチ。
AVHDDの基板ユニット
こちらは多分シスコン。フロントパネルやファンとつながっている。
stingrayがシスコン基板の名前か?


ちなみにネットで調べるとHDDを入れ替えても使えないとあった。右上のAVHDD基板が著作権情報込みでコントロールしているのでしょう。
一般家庭での使用を考慮してあるせいかファンは2個でも回転音も意外に静か。

肝心の画質はといっても、TSをそのまま記録しているのでそのまんま。ところがメニュー動作はもっちゃり。タイトルリストが出るまで12秒かかるのではっきり行って待つ。なのでメインというよりはバックアップ的な使い方が妥当でしょうか。

おまけとして1394のHDVストリームも記録できるとある。しかしHDの記録がテープからメモリに変わってきているので多分使わないだろうな。
このRec-POTは今年で生産終了。継続機種もないところを見ると本当のディスコンになってしまったようです。デジタル家電は寿命が本当に短い。

まぁそういう訳でこの枯れた機械、しばらく使ってみます。
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封印歌謡大全とルンペン節 [ラジオとテレビ]

先月TBSラジオ(ローカル)で放送された封印歌謡大全という番組のSS(サウンドステッカー、他局でいうジングルの事)で使っていた曲は「ルンペン節」の伴奏部分。歌そのものは「♪スッカラカンの空財布 でもルンペンのんきだね」という歌詞なので放送するのは今後も不可能だろう。お満の方やインカ帝国と同様に。(インカ帝国は久々の新譜。何とiTunesストアで売っているのでみんなで買おう!そしてこっそり歌おう)
本筋に戻して、それにしてもなぜこの曲を使ったのか。担当者の趣味か、洒落っ気なのか。に、してもマニアックすぎる(笑)。放送できない曲はまだまだあるんだよという裏メッセージは考え過ぎというものだろう。
この番組、ネットでも騒がれていたが、このSSに気付いた方はいたのだろうか。少しググって見ましたが、記述は見られないので残念。
ただ、ルンペンという言葉だけに過剰に反応するのではなくて、四番の歌詞の「♪(前略)金があっても白髪ははえる お金持ちでもお墓はひとつ 泣くも笑うも五十年」という部分はいろいろな意味で考えさせられる詩(うた)だと思うのです。言葉狩りでこういうニュアンスも一緒に消されてしまうのは残念。

さて、このルンペンという言葉。一昔前なら乞食、今ならホームレスと言い換える事が出来るだろう。ただし細かいニュアンスは差異があることに注意。
Wikipediaでルンペン>ホームレスに飛びます
Wikipediaで乞食

二昔前は制限がかかった言葉では無かった。かのザ・ドリフターズの8時だョ!全員集合ではルンペンコントがかけられていたし、新聞の番組解説でもルンペンという言葉が使われていた事を覚えている。

さて、この「ルンペン節」という歌。Webで調べてみると大変面白いことが出てきた。とは言うものの、あまり知識の無いアタシにとって面白いだけで、懐メロマニアには既出な事なのかもしれないが野暮を承知で書いてみる。
歌手は徳山璉。これまでアタシは「れん」と読んでいたがこれは大きな間違いで、正しくは「たまき」だそうだ。アタシ同様に間違えているページもそこそこあるし、ネットのCDデータベースですら間違っていた。またこの璉(たまき)という文字はOSによって見えない文字らしく、トーフになったり、仮名や合字を作って逃げているページもあった。最近のOSなら大丈夫でしょう。
何よりも驚いたのが作詞が実は西條八十で、柳 水巴ってのは彼の変名だった事。こういうコミックソングを本名で出す事にまだ抵抗がある時代だったのだろうか。いろいろ興味深いが、西條八十の小説を吉川大先生(無論ホメテナイ)がお書きになっているので、読みたい時は本屋で買わずに図書館に行こう。

この歌は昭和6年、帝国キネマの映画「ルンペン熊公」の主題歌として発売された。手元にビクターレコード昭和9年総目録がある。今は無き上野文庫で随分前に買ったものだが、改めて見たらしっかり載っていた。
 レコード番号:51955
 曲目:ルンペン節 (柳 水巴詞、ビクター文芸部曲)
 (帝キネ特作映画「ルンペン熊公」主題歌)
 演奏者:徳山 璉 (合唱付・管弦楽伴奏)
片面は同じくルンペン熊公の主題歌で「エンコ節/藤本二三吉」詩、曲も同じ。

その後昭和9年に再吹き込みされて再発。A面は「さくら・さくら」。
 レコード番号:53113
 曲目:ルンペン節 (柳 水巴詞、松平信博曲)
http://page10.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/m37981967(ヤフオクの画像よりSP盤のレーベルのアップ)
残念ながらこちらは昭和9年の総目録に載っていない。昭和9年とは言っているものの昭和8年12月発売分までの収録と注意書きがある(総目録はこういう慣習があり、当年に発売される新譜は数回出される追補版で補完される)ので仕方がない。
映画のクレジットが外されているのはわかるが、作曲が個人名になっていますが何かあったんでしょうか。また、昭和6年盤にはあった合唱の表記が無くなっています。今現在CDなどで聞く事の出来る音源に合唱は入っていません。という事は新録された昭和9年盤をリレコしたと思われますね。

ちなみにアタシが持っているのは「オリジナルSP原盤による 昭和の歌謡コミック・ソング集」(VDR−1048 1985年6月21日発売 3200円)です。ほとんど廃盤になっているようなのですが中古を探せばあると思います。

またいろいろ調べてみたいと思う。


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やる気MANMAN来年三月末でついに終了 [ラジオとテレビ]

今日は代休なので久しぶりに平日昼のラジオを聞いていたらQRのやるMANが来年3月いっぱいで終わるという事が番組の冒頭で発表された。丸20年も続いたという。ラジオ好きにはまさに青天の霹靂だ。
発表の後小俣が「誰に聞いても終わる理由を教えてくれないのよぉ~」といつもの調子だったのだが、続くメール&ファクス募集ではテーマを"やるMAN終了について"に急遽変更して宛先読みを始めた刹那、感極まって言葉が止まってしまった。すかさず吉田が「ったく、しょうがねぇなぁ」といつもの調子でツッコミながら宛先読みを自然にフォロー。そのままさらりといつもの調子に戻し、決してお涙頂戴ににさせないんだよね。こういうところが吉田・小俣のコンビの良さであって20年の空気なんだよなぁ。今実際に聞いていても面白い番組だと思うのだが。

それにしてもこの番組を特に止める理由なんてあるのかしらん。マンネリ打破?ギャラ交渉?。惨めになる前に有終の美を飾った方がいいというリスナーの意見も読まれたが、ゆうゆうワイドとの差はたった一年しかないのだ(あちらの方が一年長い)。惨めになり下がるのにはまだ早いと思うのだが。
止めよう下衆な邪推は。

やるMANは四ッ谷の旧局舎にリスナーとして入っていった事を思い出す。なべやかんの全裸コーナーのエキストラとしてだった。コーナー自体も期待通り非常に下らなくて面白かったし、なによりも凄いのはなべやかん自ら真面目に全裸になっていたのだ。あの「音」は本当だったのだ。やっぱり下らないものを真面目に作る事は大切だ。こういう番組が無くなってしまうのは切ない。本当に寂しい。次の番組が硬派なものだったら間違いなく客は引くよ。こういうくだけた番組が毎日あるのがAMのいいところなのだから。数年前にまっかちん難民(なぎら健壱のまっかちん仮面終了後に行き場を失ったリスナーを指してこう呼ばれた)を産み出したRFと同様の愚挙をしてしまったのかもしれない。

でも大きく空いたこの穴をどう埋めるのかしらQRの編成よ。二十年かけてきて積み上げた固定聴取層を手放す決断をしたということは明らかな事実だ。朝のワイド番組もそうだがコーナーやトークを時計代わりにしている人は多い。これをきっかけにいくらかの聴取者が他局に流れることを覚悟の上での改編なのだろう。番組を一から作るのは時間がかかるし、次の番組が必ず上手く行くと限らないのは編成が一番知っている筈。

シフト勤務時代、平日が泊まり勤や休みの時にはビバリー昼ズ(LF)~やるMANというタッグを必ず聞いていた。これで昼に聞く番組がなくなってしまう。ビバリーはすでに聞いていない。高田先生がやる気の無いのが伝わってきて、聞いてて切なくなってくるので止めてしまったのだ。
AMはどこに行くのだろう。もしFMのようなザマになってしまったら何を耳に入れればいいのだろう。

終了の話でしんみりしかけているスタジオに「終わりまでまだあと15週もあるんだから」というリスナーの冷静なツッコミが来たのには本当に笑った。最近の日本人が好きな(厭らしい)感動にさせないところがスタッフの力量でもあり、リスナーのレベルが高い証拠なんだよな。

来年3月いっぱいまでのやるMAN、あと15週の「おつきあい」です。


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8トラック?いいえ、カートです、AA型カートリッジマシンです。 [ラジオとテレビ]

Wikipediaで8トラックの項目を見ると業務用途の記述がありますが詳しく書かれていません。

昔の話で恐縮ですが、15年ほど前の仕事場にカートリッジのマシンがあって使用に供されていました。
カートと呼ばれていたその機械は興和製で、アナウンスレピータ(略してアナレピ)と名前が付いていました。もちろんモノラルで19インチラック4U(16cm程度)の高さがあり、グレーの渋すぎる色が古さをよけいに引き出してくれました。
このマシンは単装填(カートリッジを1本しか入れる事ができない)なのでイレギュラーな提供コメントや、コメントベース番組の送り出し専用でした。一日に数多く流れる提供コメントは主系統のオープンテープに一本化され、キュートーンによる停止制御がされていました。実際はこちらがメインでした。
朝の素材準備時にカートリッジを装填しPLAYボタンを押すと再生が始まります。本体のモニタスピーカのアッテネータを上げて正常に再生されているか確認して放っておけば、頭出しポイントを過ぎた所で自動的に停止し頭出しが終わります。後はオンエア制御がくるのを待つだけ。送出が終わったことを確認してカートリッジを引き抜き、素材箱に戻しておしまい。
このテープは先述の8トラックとは違う物で、ハーフは上面が透明で下面がグレーのプラスチック製。ピンチローラがカートリッジ側に無く本体側にあるため、カートリッジにはこれを入れるための穴がありました。テープは磁性面が茶色のローノイズテープで裏面は真っ黒のグラファイトがバックコートされていました。長さは15秒から15分程度をよく見ました。
音質はお世辞にも良くなくf特は上が10kHz前後で、ローノイズテープですので盛大にヒスノイズが出ました。しかも末期はマシンをメンテしていないせいかワウフラが大きく、音楽だと揺れがわかるほどでしたが不思議と壊れませんでした。質実剛健な時代の機械です。

仕事場で見る前から路線バスのアナウンスシステムとしてよく見ましたし、大型で長時間のカートリッジを使うものはデパート等のBGM演奏装置に使われ、松下通信や東亜特殊無線(いずれも当時)などのカタログにフィディリパック形と記述があったのでこれが規格の名前だと思っておりました。
アメリカではラジオのジングルやCMの送出用に使われていたそうです。過去、NHKでは海外向け短波放送の番組送出用に興和のカートシステムがあったのを写真で見た事があります。ラックマウントされた数十台のトランスポート部にカートリッジが差し込まれ、上位コントローラの制御で自動送出されていたようです。

日本ではモノラルの時代から興和が、後にオタリも加わった2社が製造していました。当時オタリは「質実剛健」なデンオンよりもスマートでFM局を中心に6ミリテープレコーダのシェアを広げていきました。アナレピもそんな需要から来たものでしょう。余談ですがオタリは松下のモータを使ってターンテーブルを発売していた事もあります。皿回しと言えばデンオンと松下通信の天下でした。

そんな事を思い出していたら、つい懐かしくなり”フィディリパック”で検索するとノイズの中からいくつかヒット。
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Keyaki/8656/
うわ、個人でアナレピ持ってる人がいるんだ。すげー。あのカートリッジはコンレー型って言うのか。ほー。
オタリのこのマシンはラジオ局で提供コメントや短い番組の送出に使われていたんだと思います。現在ではほとんどの局がサーバ送出に切り替わっているのでアナレピを使っているところは皆無に等しいでしょう。MO/BWF-Jのフォーマットも実用化されてますし。

こういうスレッドもありました。8トラックに混じってフィディリパックでリンクが。
http://domo2.net/ri/r.cgi/av/1076426624/n

たぐっていくと詳しいサイトがありました。
http://www.jimprice.com/prosound/carts.htm
フィディリパックってのは規格名じゃなかったのね、ブランドだったのね、カートリッジはtypeAorAAっていう名前なのねと驚く事しきり。さらに本体やスペアパーツ、テープまで今だに売っている。イレーサ、スプライスファインダ(接合部発見機ですな)などの周辺機器やトラブルシュートまである。日本よりも物持ちがいいのねアメリカ。

カタログが家にある筈と思って発掘したらオタリだけ見つかりました。最終ページには1992年11月の日付が。この時期はマルチテレコがアナログからデジタルへの移行期で、2インチアナログのMTR-100Aとデジタル(PDフォーマット!!)のDTR-900が並んでいます。
その隅っこに小さくたたずむCTM-10カートマシンとBPL-10Cレコードプレーヤを載せておきます。


そいえばこのオタリのカタログは5年ほど前にK崎さんから頂いたものでした。K崎さん、生きているかなぁ。

興和は1980年頃のものがあるのですが、捜索場所がオタリより奥深いので見つかるか心配です。確かモノラルカートや多装填カートがあったと覚えています。


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