本日の猫事情

見る前に、これは最高か最低かどっちかにしか転ばないだろうとボンヤリとした予感。仮にネコだけ映画だったとしてもネコ好きには和めるからそれはそれでよかろうと思って渋谷まで出かけました。
(この映画をこれから見ようと思ってる方は、どこか他に飛んでください)

それはそれでよかろうなどと安直に思っていたアタシが甘かった。

本気で帰ろうとした映画も久しぶり、いや、始めてかも知れない。

まずSDなので目が疲れる。画のトーンもテレビのガンマに近いせいか画が安っぽい。もしかしてDVCAMのスクイーズモードで撮ったのか？ってのは言い過ぎか。ミニシアターのスクリーンで見るならSDでもいいのだが、Q-AX1の大きいスクリーンはSDを上映するのに無理がありはしないか。HDであればネコの毛並みとかがきちんと表現できるので、そこも期待していたのだがSDなので真っ先に醒めてしまった。
さらに気になってしまうのは撮影の苦労が見えてしまうこと。動物の撮影は大変なので仕方がないのだが、カット割りに相当の無茶が見える。
そのせいもあるのだろう。イマジナリラインがわかりづらい、いや見えない箇所があって時々気持ち悪くなる。これは最後までひっかかった。

一番つらかったのが主役。彼女以外のキャストはネコだけなので一人芝居になる。だが残念な事に芝居と所作が拙い。もちろんモデルなので止め画は可愛いし、無論瞬間で切り取ればいい表情をしている。が、芝居については残念ながら？である。なのでイラストレーターと言う職業が画面から全く見えないのもある意味仕方ないか。え、初主演なの。なるほど。

どうでもいいが平野綾の出た意味はあったか?さらにどうでもいいがこの方法は見ていて鬱陶しかった。(アタシは別にアンチ声優ではないので念の為)。画とマッチしてなかったぞ。
ナレと同様に、スーパーを入れる必要はあったか? 邪魔だったぞ。

音はほとんど同録なので音声の処理も苦労のあとが伺えるが、たとえば蛇口から落ちる水滴の音にゲートがかかっているのがものすごく気になった。意識してやったんだろうがどう聞いても不自然なのでついイラッときてしまう。水滴の垂れる音だけオンで、間(ま)が完全無音ってのは気持ち悪い。劇場のNCが良いので無音部分が余計目立つんだわ。くーにゃんがカーテンに飛び付くシーンの冒頭は上手くノイズを足して処理されていたのに何故。演出意図なのかな。

いかにも家を一軒借りきって撮りました感が丸見えで、生活感が全くない家のセットというのも珍しい。最後までネコと飼い主の密接な関係が見えてこなかったのはなんだかなぁ。
んで、生活感が見えないという事は、結局猫たちとの日常が見えなかったんだよな。一日という縛りも逆効果だったのかもしれないし。もしかしたらゆるーいリズムってのを作ろうとしたんだけどアタシには見えてこなかったって事か？。
最後までリズムに乗れなかったせいか、どうってことない画やシーンでイラッときている自分に気がついた。つまらなかったら寝ているのだろうが、目を開いて見ていられてたのはネコの動く姿がこれでもか!という位スクリーンに映っていたからなのだろう。

だから言っておくが全てネコは可愛い。あのくらいの家にあのくらいのネコと暮らしたいと思う。本っ当に思う。さらにどうでもいいがデルタは可愛いかった。くーにゃんは子猫だからもともと可愛いし、特にこいつはいい芝居もした(バッグのシーンはさすが)。だが、残念ながらそれ以外に何もないのだ。

誉めるところはネコだけとは、最悪のパターンとして思っていた通りになってしまったってのはなんだかなぁ。和める作品ってのは結構難しいと感じました。

(公開中なのにイチャモンつけるってのは大人の態度としてどうかと思うのだが、正直な感想として残しました。この映画が気に入ってしまった方、お気を悪くしないでくださいな)

劇場を出たら陽も暮れ始めていた。夕食に博多ラーメンを食べて、歩きついでにアニメイトを冷やかし、喫茶店で一休みしながら手持ちのPCでWebを見て気持ちの整理をする。上の感想の大半もそこで書いたもの。荒げた気持ちのまま家に帰ることはとてもできないので夜は何かあったっけ？と調べてみるとアップリンクで赤塚若樹センセイの講義がある日でした。今月はポーランドのアニメーション。最後の説明で出てきた作品はある意味卑怯であります。でも楽しい講義でありました。
外に出ると雨が。けっこう降っていたので傘を買ったとたんに小降りになる。なんだかなぁ。
その帰りに宇田川町の中華料理屋で炒飯餃子をつい食べてしまい、高脂血症のポイントを上げてしまう。ダメさ炸裂。