以前カートマシンの事をネタにしたのは2006年の9月でした。
http://zens.blog.so-net.ne.jp/2006-09-29
(2010年9月20日リンク指定ミスを直しました)

そのときはカートマシンのマニアがいらっしゃる事に驚きました。昔仕事で触れていた事もあり、つい懐かしくなって実家で昔のカタログを漁って参りました。今回の元ネタは松下通信の視聴覚機器カタログで発行は1976年3月。今から32年も前の話です。いずれもデパートなどの店内BGM再生用などで機種は4機種。このカタログでフィディリパックという名前を知ったのでした。語感がかっこいいので耳に残っているのもなにかの縁でしょうか。
スキャナ環境が整ったので久しぶりにこのネタを書きますね。

BGM再生装置の4機種ではいずれも3・5・7号カートリッジが使用可能。個別の特徴を示します。
WB-535 パワーアンプなし システム用(大規模向け)


WB-560 パワーアンプ内蔵 高機能型(小規模向け)<写真>
WB-530 パワーアンプ内蔵 標準型(小規模向け)


WB-800A パワーアンプ内蔵 8トラック使用可(中規模向け)


CMマシンという名が付いているWB-720はアナウンスマシンでch1の1トラックのみ使用可能。使用カートリッジは3号と5号のみ。短尺使用が前提のモデルなのです。


これらのマシンの使い方は、BGM再生装置で通常のBGMを再生し、各種お知らせやアナウンスなどをCMマシンで再生して両者をミックスさせます。そしてBGM再生装置に内蔵されている、あるいは外部のパワーアンプで増幅されて店内などのスピーカーに送られる訳です。

簡単にスペックから読み解いてみましょう。テープスピードは9.5cm。トラック構成は2トラックモノラル。目的からステレオである必要はいっさいありません。f特は40Hzから10kHz。またWB-800Aはトラック巾をナロー化させて8トラックを確保し最大8時間のロングプレイが可能。その犠牲としてf特が100Hzから8kHzとなっていますが目的からいえば妥協できる値かもしれません。
接合部のセンシングテープあるいはマニュアルトリガーによってトラックを移動させ長時間の再生を行います。

使用できるカートリッジは3号(300型)、5号(600型)、7号(1200型)の三つ。この数字を見てピンと来る人はオープンリールのテレコを扱った事がある年寄りです。はい、この数字は100番タイプ(50ミクロン厚)のテープを巻いた時のリールの大きさとテープ長(フィート)ですね。つまり7号リールには最大1200フィート(約360m)の長さのテープが巻くことができます。これを9.5cmで走らせると片道1時間使えます。5号、3号とそれぞれリールの大きさが小さくなるに従いテープ長も半分ずつ減ります。


しかしこのジャンルはニッチですなー。ぐーぐる様でも結果は多くはありません。でも確実にこの懐かしい機種を楽しんでいる方々はおられる訳で、いまだにオークションに流れているものを見るとたまらんものを感じます。
さすがにアタシは今使う余裕はないのでこのように記憶だけで戯れている訳です。

と、いうわけでこのカタログをまんまスキャンしましたので詳細はそれらをご覧ください(1枚250KB近くあるのでそこそこな大きさです。ご注意を)。




さて、ここまできましたので放送用でおなじみ興和のアナレピのカタログを再捜索していますがどこに行ったのやら。昭和の放送機器っていう画像を久しぶりに見たいのですがねー。

追伸:06年の記事にコメント頂いたkurehaさま放置プレイですみません。ようやく次のネタを出す事が出来ました。