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ラインチェックのお話 [ラジオとテレビ]

オーディオマニアっていろいろやっかいだねぇ、と思うのよ。自分もかつては軽くかぶれかけてたから判る。
ずいぶん前にオーディオマニアの方のホームページに、スピーカを入れ替えたらツイータだけを逆相で接続してしまったことにしばらく気付かず、客人の「おかしくね?」で逆相が判明して驚いたってのを見たんですよ。
こういう時って組み上げたときにテストCDをジェネレータ代わりにしてさっとラインチェックをすればこんな原始的な失敗さけられたのにね、なんて思います。テストCDもシングルトーンとスイープとホワイトノイズ、ピンクノイズが入ってるちゃんとしたのがあればOK。数万円するオカルト系のアクセサリ買うよりも遥かに安くていざという時に絶対重宝する道具なのだから買っといて損はないんですよ。今も昔もそんな信号が入ったディスクが売られてます。
これだからマニアは思うときもあるのですが、そもそも音質云々を語る前にオペレーションの質のアップが必要だろうと。

オーディオとつきあうときは数字で見えない感覚てのも大事ですが、テクニカルを含むオペレーションも実は重要で、意外とそういう事が普及していないんじゃないかなぁと思うんです。先にあげたテストディスクをどう使うかなんて知識とある程度訓練された耳が必要です。それが無いとシングルトーンは放送禁止用語を隠す効果音にしか聞こえなく、ホワイトノイズはFMラジオの放送休止時に聞こえる雑音にしか聞こえません。

ラインチェックってのは放送現場の用語で、スタジオや中継現場から回線を接続した時に行う回線試験の事です。通常はテストトーンを使ってレベル、位相、分離、S/Nのチェックを行います。信号源は通常テストトーンが出るミキサーです。受ける側は測定器でスピーカ(とヘッドホン)でチェックを行います。問題があればその場でフィードバックされ、修正後再度チェックが行われます。

通常は基準レベルのトーン(テレビ音声の世界では-20dBFS=0VUの1kHzと400Hz)を使います。
レベルと位相は同レベル・同位相のトーンを出して問題がないかのチェック。分離は片チャンネルずつトーンを出してL/Rが正しいかのチェック。S/Nはフェーダを絞りきって無音声にした時にノイズがないか、他の回線からのクロストークがないかのチェックをします。
実際はメータは正しく振れててもパチパチやジーとかのノイズが混じっていたり、ピー音が変化している(正弦波ではない。つまり歪んでいる)時があって、これらはNGです。
その後プログラムを流してもらい違和感がないかを確認して総合判定OKとなるわけです。
こういったチェックを怠ると品質が落ちるので単純な様で実は重要な作業なのです。固定回線の時は品質が担保されているのでいくつかの項目は省略するときもありますが。
もちろん信号源と収録機器を直接接続したときにもラインチェックは行います。レベル、分離は必ず確認します。収録機器のメータだけ見てOKにはしません。内部設定が変わっている場合があるのでヘッドホンなんかで聞いて品質を確認します。

家庭ではシステムを組み上げたらCDなんかを信号源にして、位相、分離のテストをするだけでもかなり安心できるでしょう。ピンコードで直接つないでいるから大丈夫なんていっても、チェックしたら実はL・R逆に接続していたなんていうのはよくある話ですから、チェックという基本は馬鹿に出来ません。

なんでこんな事を書いてるかっていうと、オーディオネタのまんがを見てしまったからです(肝心なまんがは自分の好みではなかったので残念ながら面白くなかった・・・)。で、かぶれかけのマニアのマネゴトを止めた理由は響きの比較的良かった建物のロビーで生の三味線聞いたときにとても気持ちよく、電気的に聞く音って何よ、と醒めてしまったからです。だから熱いオーヲタへはつい冷めた目で見てしまうのですよ。もちろんいい音で聞くこだわりはまだ残ってますが、目玉が飛び出る高級感&高価格イコールとびきりいい音ってのはちょっと違うぞ、と思います。機械は使いこなしてナンボだよ。だからちゃんと基本押さえてる?と。


気をつけたつもりでいるけどこういうネタを書くのはやっぱり難しいね。

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