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一ヶ月以上経って広島の感想なぞを [アニメーション]

フルではないものの五日間通ったのは今回が始めて。客も客なりに自分流の楽しみ方を知っておかないと相当損をする。あらかじめ情報収集しておきたいのだが。長丁場なので自分流の体力コントロールをしておかないと息と精神力が切れてしまう。特に年寄りは確実にあとで体に来るので気をつけましょう。

上映はフィルムもあればビデオもある。画質はもちろん違いがあるのでオリジナルのクオリティが残るものでありたいが素材供給側の都合もあるので仕方なかろう。前回までは素材の質で見るか止めるかの判断も出来たのだが、今年のプログラムから上映フォーマットの欄が消えているので気をつけたし。フィルムで上映されるのと、ベーカムをアップコンして上映するのではクオリティの忠実さが全く違ってくるのだ。

コンペは9・10(前回・前々回)回に比べ、ユーモアのある作品が少なく、難解で独特の癖を持つ作品が多いと感じた。また一日目に明るい作品が集まってしまったのが気にかかる。どうやら今年の審査委員はユーモアはお好きでないのかもしれない。

ようやく映像新聞8月18日号に広島の記事が出たが、審査結果についてやはり言いたいことがあるご様子。実際コンペを全て見ていてそのバラツキ加減さは薄々感じていたが。こういう審査結果にもちろん正しい解はなく、国際審査委員の価値観はそれぞれ違うのだからその評価も分かれるのが当然だと思い込むのが精神的にはいいのかも知れない。この考えは相当後ろ向きなのだが。
ただなぁ、今回はこれっ!!ていうものが無かったのではないだろうか。それは作品のせいだけではなく、見ている側の意識の移り変わりがあるのではと思う。例えば10年前と今現在とでは見る側の環境も違うし社会環境やクリエイティブに対する感覚も違うのだろうし。

言えることは今の日本人の大多数はテレビ馴れしているせいか暗く重たいものを好まない。ゴールデンタイムのバラエティのかまびすしさや、エンターテイメント嗜好のTVあるいはハリウッド映画の影響があるのだろうと勝手に思ってはいるのだが。

ミルクを改めて見て思うのだが、ああいう閉塞感は今の日本人は果たして受け入れてくれるのか。
ハリウッド慣れした(あるいは「渡る世間に鬼はなし」モノが好きな)日本人の好きなテーマと真逆の作品。希望もない、未来もない、あるのは行き止まりの現実のみ。しかもそこに向かって確実に進んでいく。そのメタファーがおもちゃの車を壁に何回もにぶつけて遊んでいる(と思しき)少年の姿だ。このシーンで作品の持つ絶望感を感じてしまった。
淡々と綴られる日常の出来事。これを家族という場から見た不幸と取るか、逆の個人個人という立場から見た目の前の幸せ?と取るか。バブルを経験してどん底に落ちたままこれから消費税も上がるっていう日本人にはかなり重たかったのではないかと思う。東京ぼん太風にいうと「夢もチボー(希望)も無い」のだ。若い人判らないネタでスマン。
ただ、これがなぜグランプリなのかという聞かれると、答えに詰まる。エンターテイメントに走らずストイックに現実を写し出したといえばいいのかしらん。

今回は特別プログラム以外のフレームインやネクサススポットに足を踏み入れてみた。いいか悪いかは見てみないと判らないところが大バクチ。しかもホールのプログラムと全く違う時間軸で動いているので選ぶのに勇気が要ります。
特にフレームインはわざわざ時間を割いて見に行ってこれ?というものが多かったですね。

今年はWeb上での各賞発表が会期終了から数日経ってからアップされた(3~4日は見ていたがそれ以降は止めた)。国際映画祭のすることではない。あまりにも対応が遅い。毎日発行されるラッピーニュースWeb版の更新スピードも前回より明らかに落ちている。いろいろ事情があったのかも知れないが、お金や人間関係で何かあったのかと下衆の勘繰りをしたくなるほどだ。
前回(2004年)の開催後、映像新聞のインタビューで木下小夜子フェスティバルディレクターが予算的に苦しい事情を吐露していて、ことによっちゃァ場所を変えるかもといった旨の発言が出て驚いた事を思い出す。実情はいろいろあるのだなぁと溜息が出たことを覚えている。事実今でもWeb回りの情報更新は皆無に等しく、最終審査結果の発表ですら数日かかっている。現場を回しているだけで精一杯なのだろう。
比較してはいけないのだが、アヌシーのサイトは情報があふれているし関連記事も多い。が、こと日本になるとこのたぐいの情報発信は少なくなる。それでもプロアマ問わずいろいろな方がWebを通じて行っている。これらの方々に本当に感謝。貴重な情報源です。

かえって一般マスコミはカンヌ(の上っ面)だけで、ここから独立したアヌシーの存在やそこに繋がる日本人作家など全く報道しない。この悲しい現実に打つ何かいい手はないのかねぇ。アタシは2Dのセルアニメも作家性の高いアニメーションも同じ様に好きなので、両方とも文化として成立し続けてほしいと思っている。ところが不幸にもお互い大きな流れに飲み込まれている最中のように感じる。それはとてもいい方向に動いているとは思えない。資本主義や思想の悪いあおりを受けて文化もろとも消えて欲しくないのだ。
要するはアニメが好きなんだ、アタシは。

うーん、書き直してみてもやっぱりまとまらねぇなぁ。後半は八つ当たりだし。


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